「ニセ逮捕状」で現金を…詐欺相次ぐ 警察官名乗るなど“巧妙手口”とは?
偽物の逮捕状などを示して現金をだまし取る詐欺が相次いでいます。広島県では、女性が現金800万円をだまし取られる被害がありました。その巧妙な手口とは…。
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作り込まれた“偽物の逮捕状”。被疑者の項目には、自分の「氏名」や「住居」。
今月上旬、広島県に住む女性が、大阪府警を名乗る人物からSNSを通じてこれを受け取り、現金800万円をだまし取られました。
街の人に見せてみると…。
夫婦(60代・70代)
「よくできてる。ここに住所と名前が全部入ってるんでしょ」
「調べてあるワケでしょ」
夫婦(20代)
「情報が自分のと合っていたらびっくりしちゃうかも。生年月日と住所とかがここに入っていたら」
捜査の名目で、現金を振り込むように促された女性。大阪府警を名乗る送り主に確認すると、誘導された先は…。
記者
「女性は大阪府警察と書かれたサイトに誘導されたといいます」
もちろん、“偽物のサイト”です。
本物と比べても、ほとんど同じ。違うのは、「お近くの警察署」と「安全なくらし」という項目が「案件検索」「情報登録」に変わったところです。
女性は、先に進んで指示された番号を入力。すると…。
記者
「SNSで受け取ったものと同じ逮捕状が表示されたということです」
大阪府警を名乗る人物
「振り込まないと逮捕状を執行する」
そして、お金をだまし取られました。
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警察庁によると、急増しているという警察官をかたった特殊詐欺。5月時点で、今年の認知件数は3816件。偽物の逮捕状を示す手口が目立っているといいます。
被害は各地で相次いでいます。
福岡県警が、実際に詐欺に使われた“偽物の文書”を14日に公開しました。警察によると、福岡県に住む67歳の女性がこれらを見せられて、現金1127万円をだまし取られました。
今年6月、北海道警察を名乗る男からかかってきたLINE電話。
北海道警察を名乗る男
「投資詐欺事件にあなたの口座が使われている可能性があり、逮捕状が出ている」
そして、LINEで送られてきたのが「凍結捜査差押許可状」などの書類。警察によると、「凍結捜査差押許可状」は存在しない架空の書類だといいます。
さらに同じアカウントで、札幌高等検察庁の検察官を名乗る男から。
札幌高検の検察官を名乗る男
「お金の流れを確認するため、口座のお金を振り込んでもらう必要がある」
女性は今月、3回にわたって指定された口座に、現金合わせて1127万円を振り込んでしまいました。
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警察庁は、警察が「メッセージアプリでの連絡」や「逮捕状の画像を送ること」は(…続きを読む)。