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知人をカンボジア拠点の詐欺グループに紹介か 3人逮捕

知人をカンボジア拠点の詐欺グループに紹介か 3人逮捕

 知人をカンボジアに渡航させて詐欺グループに紹介し、特殊詐欺の電話をかけるいわゆる「かけ子」をさせたとして、20代から30代の3人が逮捕されました。
 かけ子をしていた知人の会社員は警察に対し、「拠点は塀に囲まれた1つのまちのようだった」などと説明しているということで、海外を拠点にした特殊詐欺グループの実態を詳しく調べています。

 逮捕されたのは、福岡市博多区の会社役員、荒木和志容疑者(31)ら、20代から30代のあわせて3人です。

 警察によりますと、ことし1月ごろ、知人の29歳の会社員をカンボジアに渡航させて詐欺グループに紹介した職業安定法違反の疑いや、会社員が「かけ子」として電話をかけた詐欺未遂事件に関わった疑いが持たれています。

 警察は3人が詐欺グループの指示を受けてかけ子などを勧誘する「リクルーター」だったとみています。

 3人の認否は捜査に支障があるとして明らかにしていません。

 一方、かけ子をしていた会社員は、一時帰国中にみずから名乗り出て警察に保護されたあと逮捕され、その後、釈放されていて、現在は任意で捜査を受けているということです。

 会社員はカンボジアの拠点について、「高さ2メートルほどの塀に囲まれた1つのまちのようだった。入り口に銃を持った複数の警備員が立っていた」などと説明したうえで、「かけ子が同じビルに集められ、マニュアルにもとづいて警視庁、長野県警、それに検察という3つの役割に分かれて電話をかけていた」などと話しているということです。

 警察は海外を拠点にした特殊詐欺グループの実態について詳しく調べています。

カンボジアの拠点の様子は

 警察によりますと、知人の会社員は、ことし1月13日、逮捕された3人とともに福岡空港を出国し、カンボジアに向かったということです。

 会社員は滞在していた場所について、「拠点は首都のプノンペンから車でおよそ2時間半かかる場所にあった。森の中や木造の住宅の間を通る一本道を走ると、突然、壁に囲まれたまちのような地域に出た。複数の建物や池などもあった。拠点のビルの出入り口には複数の警備員がいて、銃を持っていた」と説明しているということです。

 ビルは4階建てで、4階のフロアでは日本人や中国人などとみられる十数人が「口座が犯罪に使われていて、潔白を証明するために紙幣に書いてある番号を確認する」などとうそを言って電話をかけていたといいます。

 また、この十数人は警視庁捜査2課を名乗って電話をかける役、長野県警をかたり銀行口座情報などを聞き出す役、検察を装ってビデオ通話をして現金を振り込ませる役の3つに役割を分担していたといい、会社員は「電話をかけて1日に十数回、被害者につながった」と話しているということです。

 このほか日本人と中国人とみられる2人の「幹部」が朝礼を行い、「通訳」のほか、詐欺に使用するLINEアカウントや偽の逮捕状を準備する「世話役」もいて、姿を見せないトップを「社長」と呼んでいたということです。

 会社員は、1月17日から5日間、この拠点に滞在したあと、22日に日本に帰国したということですが、会社員は「さまざまな国籍の人や車が行き来していた。スーパーマーケットなどでは、賞味期限が切れた商品が多く売られていた」と話して(…続きを読む)。