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「アカウント提供で2万円」釣られた大学生100人に重い代償…後払い悪用でiPhone1000台不正購入

「アカウント提供で2万円」釣られた大学生100人に重い代償…後払い悪用でiPhone1000台不正購入 後払い決済サービスのアカウントを悪用して多数のiPhone(アイフォーン)を不正購入したとして、会社役員の男らが摘発された事件で、大学生らが1,2万円程度の報酬に釣られ、自身のアカウント情報を安易に提供していた実態が浮き彫りになっている。代償として負うことになったのが、使うこともない端末の代金十数万円。専門家は「IDやパスワードといったアカウント情報は重要な個人情報。第三者に教えてはいけない」と指摘している。

決済サービス「ペイディ」悪用

 事件を巡っては、昨年9月以降、不正にアイフォーンを購入したなどとして、電子計算機使用詐欺容疑で会社役員(25)(住居不定、公判中)ら男3人が逮捕、起訴された。

 捜査関係者らによると、会社役員らが購入代金の支払いで悪用したのが後払い式の決済サービス「ペイディ」。会社役員らは、入手したアカウント情報でペイディにログインし、2024年夏頃までに、アイフォーン約1000台を購入、転売した。売却額は、計約1億6400万円に上ったという。

 被害が拡大した背景にはアカウントを提供した学生らの存在がある。

 「小銭が稼げるよ」――。捜査関係者によると、福岡大(福岡市)運動部の学生はこう呼びかけ、ペイディのアカウントの提供を募っていた。

 「募集役」を担ったこの学生が、アカウント情報の提供の見返りとして提示した報酬は1万~2万円で、提供した側の金銭負担はないとの約束だったという。応じた学生はアカウントを作成し、SNSなどでアカウント情報を「募集役」らに伝えていた。

 「小遣い稼ぎ」のうわさとともに、アカウントの提供は学生らの間でねずみ算式に広がり、福岡大では、数十人の学生がアカウントを提供した。提供した後に募集する側に回り、報酬の一部をピンハネしていた学生がいたほか、摘発された男の中に三重県の知人がいた人物がいたため、同県の大学生にも提供者が出た。福岡県警は提供した学生らは両県で計約100人に上るとみている。学生らの多くはアイフォーンの代金が自身に請求されてだまされたことに気づいた(…続きを読む)。