急増!警察官などかたる詐欺 AIを悪用 映像を合成しビデオ通話
急増している詐欺被害。特殊詐欺やSNSを悪用した投資詐欺などの被害の総額は、去年、前年の2倍を超える2000億円近くにのぼっています。なかでも今急増しているのが詐欺の犯人が警察官などの捜査員役としてビデオ通話に姿を現す手口で、別人の顔を合成するAIなどの技術も悪用され、被害の拡大が懸念されています。
警察庁によりますと、去年1年間に国内で確認された「特殊詐欺」の被害は721億5000万円と、これまでで最も多くなりました。
さらにSNS型の「投資詐欺」や恋愛感情を抱かせて資産をだまし取る「ロマンス詐欺」などを含めた詐欺被害の総額は前年の2倍以上の1990億円にのぼり、深刻な状況になっています。
ミャンマーからも さらなる被害拡大の懸念
捜査関係者によりますと、ミャンマーで摘発された犯罪拠点で特殊詐欺に加担させられ、現地当局に保護された日本人の高校生2人はいずれも「警察官をかたった特殊詐欺の電話役をしていた」と話しています。
「警察官の制服を着て、顔はAIで変えて、ニセの逮捕状を見せる手口だった」などと証言しているということです。
詐欺グループの拠点が世界各地に広がり、最新技術が悪用されるようになっていて被害がさらに拡大する懸念も高まっています。
急増 警察官かたる新手口とは
なかでも今急増しているのが特殊詐欺の犯人が警察官など捜査員役で電話に登場する手口です。
去年全国で4192件と、おととしに比べて3000件以上増加。
被害額は特殊詐欺全体の5割以上に当たるおよそ371億円にのぼりました。
ことしに入ってからの被害も、1月と2月だけで少なくとも100億円を超えています。
音声通話による以前からの手口に加え、最近はLINEなどのビデオ通話で、捜査員役の犯人が姿を現し、ニセの令状などを示して送金を指示してくる手口が増えています。
顔を加工したり、別人の顔を合成したりするAIなどの技術が悪用されているということです。
「警察官」や「検事」名乗り “顔出し”で
最新技術を悪用した詐欺とはどんなものなのか。
ビデオ通話を使った詐欺で100万円をだまし取られた都内の20代の男性が手口を証言しました。
去年8月、男性のスマホに大阪府警の捜査員を名乗る人物から「あなたの名前がマネーロンダリング事件の協力者として浮上している」と突然、電話がありました。
「捜査2課」に所属するという相手から「警察官であることを証明するため」だとして、LINEのビデオ通話でのやりとりを求められたということです。
相手は自分の顔や警察手帳を見せてきたほか、捜査令状の写真も送ってきたということです。
そして「調査のため」だとして、ネットバンキングの口座への送金を指示してきたということです。
本物の捜査員だと信じた男性は、指示どおり100万円を振り込んでしまったということで、「無実を証明しないと本当に捕まってしまうと思いました。事情聴取なのにLINEを使うことには違和感もありましたが、警察の仕組みも時代で変わったのだろうとその時は考えてしまいました」などと(…続きを読む)。