SNSを通じた詐欺、被害の半数が働き盛りの40~50歳代…2023年、大阪府内

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SNSを通じた詐欺、被害の半数が働き盛りの40~50歳代…2023年、大阪府内

 インスタグラムやLINE(ライン)などのSNSを通じて投資名目などで金をだまし取られる詐欺被害が深刻さを増している。大阪府警の調査では、架空の投資話を持ちかける「SNS型投資詐欺」と、外国人を装い恋愛感情などを抱かせて金を詐取する「国際ロマンス詐欺」による2023年の府内の被害額は計約49億円。高齢者らが電話でだまされる特殊詐欺の被害額の1.4倍で、府警は警戒を強め、注意を呼びかけている。(中西千尋)

 府警は、SNSを通じた詐欺の手口を大きく二つに分類。「金を預けてくれれば増やす」「モニターを募集している。絶対にもうかる」などと投資を持ちかけ、金を振り込ませて詐取するSNS型投資詐欺の被害は23年に256件あり、被害額は約32億円に上った。府内の40歳代男性は、フェイスブックで知り合った人物から投資を勧められ、アプリをダウンロードし、約1億2400万円をだまし取られた。アプリ上では利益が出ているように表示され、信じ込んでしまったという。

 もう一つの手口は、外国人や海外居住者をかたって相手に恋愛感情や親近感を抱かせ、金を要求する国際ロマンス詐欺で、23年に163件、約17億円の被害があった。府内の40歳代女性は台湾に住んでいるという男性とインスタグラムで知り合い、LINEでやり取りするうちに投資を持ちかけられた。初めの頃に数十万円の利益が出たことでのめり込み、結果的に約1800万円を詐取された。

 二つの手口に共通するのは、働き盛りで蓄えも多い40~50歳代が被害者の約半数に上ることだ。被害も高額で、1000万円以上が約3割を占め、最高額は2億3400万円だった。23年の被害計419件は詐欺被害全体の8%に過ぎないが、被害額計約49億円は全体の38%にあたり、高齢者らが金をだまし取られる特殊詐欺被害(2649件)の約36億円を上回っている。

 被害者は相手とSNSでしかやり取りせず、直接会ったことがないケースが多く、容疑者の匿名性が高いのも特徴だ。府警捜査2課は「捜査を進め、実態解明に努めたい。会ったことのない相手からの投資話には安易に乗らないようにしてほしい」と(…続きを読む)。

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