「“闇バイト”は犯罪、破滅しか生まない」特殊詐欺グループ元主犯格が語る 犯行の実態と恐怖の手口

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「“闇バイト”は犯罪、破滅しか生まない」特殊詐欺グループ元主犯格が語る 犯行の実態と恐怖の手口

 去年、広島市西区で高級時計店が襲われ、親子3人が重軽傷を負った強盗事件。
「ルフィ」などと名乗る指示役の男たちが絡む一連の強盗事件には恐ろしい「闇バイト」の実態が潜んでいました。

【特殊詐欺グループ 元主犯格】
「闇バイトっていうのは犯罪者の生贄という言葉を使うんですけど、バイトじゃないんですよ犯罪なんですよね」

 こう話すのは特殊詐欺グループの主犯格として闇バイトの経験があるフナイム氏ー

【特殊詐欺グループ 元主犯格・フナイム氏】
「人生が壊れていく破滅しか生まないんですよね」

 語られたのは後悔の言葉の数々でした…

【山北記者】
「店の看板はなくなり店自体も閉業に追い込まれました。この場所で卑劣な事件が起きました」

 去年12月、広島市西区の高級時計店に8人の男が押し入り、親子3人が襲われ重軽傷を負った強盗事件。

 現金や腕時計などおよそ2700万円相当が奪われ、息子は意識不明の重体となり、いまも治療が続いています。

「ルフィ事件」といわれる全国で相次いで発生した一連の強盗事件。
 広島の事件では実行犯8人と売却役1人、そして、「ルフィ」などと名乗る指示役の3人が強盗殺人未遂などの疑いで逮捕されました。

 顔も知らない赤の他人の男たち。
 つながったのが短時間で高収入を得られるとSNSなどで募集されるいわゆる「闇バイト」でした。

 今月、実行犯の1人、当時18歳の男の裁判が行われ、その実態が明らかになりました。

【実行犯の男(19)】
「暴力団関係者との金銭トラブルがあり早くお金を返したかった」

SNSで見つけた闇バイトに応募すると、通信アプリ「テレグラム」で身分証明書を送るよう指示されたといいます。

そして、紹介された仕事が強盗だとわかり、手を引こうとしましたがもう手遅れでした…

【実行犯の男(19)】
「家族がどうなってもいいのか?」と言われ指示に従うしかないと思った」

さらに、指示役から驚くべき連絡があったといいます。

【実行犯の男(19)】
「テレグラムで『殴ったり蹴ったりしないと報酬はあげません。絶対に殺してはいけません』と書かれていた」

 男は、犯行現場に行き、被害者の男性を縛るように指示されましたが、手が震えて出来なかったといいます。

 そして…

【日野 浩一郎 裁判長】
「主文 被告人を懲役11年に処す」

 気軽に始めたはずの闇バイトの大きな代償…このあと、闇バイトを経験し刑務所で服役した男性が、闇バイトの恐ろしい実態とその狂わされた人生について語りました-。

 広島だけでなく全国で相次いで発生し世の中を震撼させた強盗事件の数々。
 犯行に及んだのは「闇バイト」で集められた者たちでした。
 過去に特殊詐欺グループの主犯格を担い、実刑判決を受けて刑務所に服役したことがあるフナイム氏が、闇バイトの実態を語りました。

【特殊詐欺グループ 元主犯格・フナイム氏】
「23か24ぐらいの時なんですけれども水商売をやりながら夢であった役者を目指していたんですけど、その時にお客さまのほうから『50万円から100万円ぐらいの毎月稼げる仕事があるよ』と、仕事の内容は金融で、営業やると」

 金に目がくらみ手を染めたのは「詐欺」気が付くと引き返すこともできなくなっていました。

【特殊詐欺グループ 元主犯格・フナイム氏】
「(1か月に)2000万円稼いだことがある。特殊詐欺の主犯として老人ホームの入居権のトラブル解決名目の詐欺をやっていたとき。身分証明書コピーを取られてしまってお前の身分から何から全部わかってんだぞって。いい加減にしろって…」

過去も現在も闇バイトの本質は変わらないといいます。

【特殊詐欺グループ 元主犯格・フナイム氏】
「(実行役は)基本的には捨て駒なんで駒というか奴隷というか…。募集ツールが変わっているだけなんですよ一番怖いところなんですよね。(SNSで)高額収入あるじゃんやってみようかなっていう時代になった。連絡手段はシグナル、テレグラムで間に人を何人もかませて実行役いかせてトカゲのしっぽ切りなんで指示役が捕まらなければ問題がない」

 さらに今はSNSを通じて実行役が募集されるため、実行役を逮捕しても指示役までたどり着くのはより難しくなっているといいます。

 きのうまで顔も知らなかった赤の他人同士がもたらす凶悪な犯罪。
 犯罪組織の全体を把握することが難しくなっている実態に警察のトップも危機感をつのらせます。

【警察庁・露木 康浩 長官】
「(広域強盗事件は)非常に匿名性が高い。ゆるやかな結びつきで離合集散を繰り返しているグループ。これを対策の中心に据えないといけない。暴力団を中心をしてきたこれまでの組織犯罪対策のあり方を転換させるインパクトがある事件だった」

フナイム氏は若者たちに警鐘を鳴らすため服役中の囚人番号だった「2716」に因んで「フナイム」として、全国各地で撲滅活動を続けています。

【特殊詐欺グループ 元主犯格・フナイム氏】
「闇バイトっていうのはバイトじゃないんですよ。犯罪なんですよね。自分も罪を犯して失ったものはたくさんある。自分の人生だけでなく家族の人生。その親戚友達全部壊れるし、要は破滅しか生まないですよね。人が嫌がることでお金を得て人を喜ばそうとしても絶対喜ばない。そういうところを考えてほしい」

 決して抜け出せない闇バイト。
「短時間で高収入」という甘い言葉に惑わされ、手を出すことは決してあってはいけません。

<スタジオ>
 フナイムさんのお話で犯罪の本質は変わらないというのもありましたが、SNSまた「闇バイト」という言葉で、より若者にとって安易に手を出しやすくなっていると感じますね。
 やはり早い段階で知るということも大切になってくるんですね。

【国際ジャーナリスト モーリー・ロバートソンさん】
「本当に中高生の段階からこういう実体験をし反省している人、出所し反省している人の話しを聞く。こういう啓発活動というのは、社会全体で(…続きを読む)。

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