SNSの「お金あげます」の罠を信じてしまい…口座開設で詐欺の共犯者に

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SNSの「お金あげます」の罠を信じてしまい…口座開設で詐欺の共犯者に

「SNSの情報から詐欺被害に遭った」──。こう聞くと、SNS広告から激安をうたう詐欺サイトに誘導されてお金をだまし取られたと考えるだろうが、実は知らないうちに自分が詐欺の片棒を担がされることもある。つまり、あなたが加害者になってしまうのだ。

 ツイッターなどのSNSには「お金を配ります」との書き込みが多数見られる。そこに罠が仕掛けられている。引っかかるのは若者が中心だ。

「まさか自分が開設した口座が詐欺に使われるとは思いませんでした」と嘆くのは20代のOL圭子さん(仮名)である。彼女はある都市銀行から「犯罪収益移転防止法に基づく取引確認の依頼文書」が届いたことで、自分が犯罪に加担していたことに気づいた。以下のような経緯である。

 借金を背負い、返済に窮していた圭子さんはツイッターを経由して「お金を配ります」というアカウントを訪れ、「資金を調達できる」の書き込みを見た。連絡したところ、テレグラムというメッセージアプリでのやりとりを求められた。要求どおりにすると、男から電話がかかってきてこう言われた。

「お金を振り込む条件として新規に銀行口座を開設してもらいます。そのキャッシュカードを送ってもらえば、1週間後、口座にお金を入れてカードを返します」

 圭子さんはキャッシュカードと暗証番号をレターパックで郵送。お金の振り込みを待っていたが、カードが戻ってくることはなかった。それどころか、銀行からの依頼文書で事の重大性に気づいたのだ。

警察に飛ばれ弁護士から返金要請を受ける

 依頼文書を受け取った圭子さんは親と一緒に警察に行き、事情聴取を受けた。彼女の口座には約100万円の振り込みがあり、全額が引き出されていたという。詐欺師が彼女の口座を使って大金をせしめたのである。

 悪意はないとはいえ、犯罪の協力者だ。まもなく、詐欺に遭った被害者の弁護士から圭子さんに「振り込んだお金をすべて返金せよ」との通知書が届いた。詐欺グループの首謀者の所在が不明のため、身元のわかる彼女に返金要請が来たわけだ。まさに踏んだり蹴ったりである。

 なぜこんな話を信じてしまったのか。圭子さんは「すでにお金配りをしている人がいるから、この人もそうだと信じ込んでしまった」という。最近話題の大金を配るIT長者と(…続きを読む)。

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