報酬5%、女性は裸写真も…特殊詐欺実行犯の実態

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特殊詐欺

 手口が多様化し、被害が急増している特殊詐欺。犯行グループは主犯格にまで捜査の手が及ばないよう、役割分担を複雑化し、「高収入」をうたって会員制交流サイト(SNS)で「かけ子」や「出し子」などの実行犯を集めているが、厳しい監視の中での作業や、高リスクのわりに報酬が見合わないなど、過酷な実態が浮かび上がる。

身分証を押さえられ

 警察官をかたってキャッシュカードをだまし取ったなどとして、警視庁は12月までに被害者宅に電話をかける「かけ子」やその面接役の男らを11人を詐欺容疑で逮捕した。

 警視庁捜査2課によると、逮捕されたかけ子らは「高収入」などをうたったSNSへの書き込みを通じて集まったという。

 捜査関係者によると、かけ子の容疑者らが募集側にSNS経由で連絡を取ると、別のSNSをインストールするよう求められ、名前や住所、いつから働けるかなどを問われたという。顔写真や身分証も送るよう求められ、まるで就職活動の際の〝エントリーシート〟のようなものを提出させられた。

 そうして「書類選考」を通過すると、カラオケ店などに呼び出され、「面接官」による圧迫面接が行われるという。

「ほかの詐欺グループに所属していないか?」「家族の連絡先は?」などと詰問され、面接は数時間に及ぶこともあったという。

詐欺で得た金を持ち逃げしたり、警察に出頭したりすることを防止するためとみられ、採用側は応募者の身内に連絡することをほのめかしたり、女性に対しては裸の写真を撮ったりしていたという。

高い逮捕リスク

 厳しい〝選考〟を経て、▽被害者宅に電話をかける「かけ子」▽現金やキャッシュカードなどを受け取る「受け子」▽ATM(現金自動預払機)で現金を引き出す「出し子」が選ばれる。

「高収入」の触れ込みで集まったが実際にはどうなのか。捜査関係者によると、この犯行グループでは、詐取金の取り分は役割ごとに決まっており、受け子と出し子は詐取金の5%、かけ子は3%。

 人目につかない場所から電話をするだけのかけ子よりも、現場に赴く分、摘発のリスクも高まる受け子と出し子が多くの報酬を受け取れるシステムだ。とはいえ、100万円を詐取したとしても(続きを読む

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