Threadsで自称「東京のOL」に騙されてカンボジアに…「臓器を売るか詐欺をするか選べ」と脅された40代中年男性の「同情したくなる背景」

Threadsの投稿がきっかけだった
「強盗とか脅迫とか怖い文言は書いてなかったし、まったく怪しい誘いじゃなかった」
九州在住で専門業者を営んでいた宮田和明さん(仮名、40歳)は、こう振り返る。宮田さんは今年5月11日に、関西空港で待ち合わせた特殊詐欺のリクルーターと思われる人物とプノンペン空港へ向かい、市内のホテルに軟禁されたものの、自力で脱出。在カンボジア日本大使館と現地警察の協力を経て5月21日に無事帰国した。
宮田さんが特殊詐欺組織の勧誘に乗ってしまったのには、こんな心の隙間もあったようだ。独身の宮田さんは自身の会社の2000万円近い売掛債権(ファクタリング)などの返済をしながら会社と家を往復する日々に少なからず不満や退屈さを感じていた。そんななか、今年のGW明けの5月8日、詐欺系の勧誘被害が多く報告されているSNS『Threads』のこんな投稿に目が留まる。この投稿こそが宮田さんがカンボジアに行くきっかけとなったものだった。
「カジノに稼ぎに行く案件が入ったので、どなたか一緒に行きませんか? 詳しく伝えるのでDM下さい」
プロフィールは「東京のOL」だった
この投稿について、宮田さんは言う。
「その投稿主のプロフは『東京のOL』などと書かれていました。名前は『WA』です。それまでの投稿からは、カジノに行くイメージはありませんでした。それこそ港区女子みたいな煌びやかな投稿はなく、ごく普通の『ご飯食べた』とか『どこ行った』みたいなほのぼのした内容ばかり。そこに突然『カジノ』案件の投稿だったので、『そういう気分もあるか』と、なんの疑いも持ちませんでした。だからその投稿主に『どんな案件ですか』とDMしたんです」
「WA」なるアカウントからは、すぐに返事が来たようだ。そこには「軍資金はこちらで用意するし、種銭は必要ない。もちろん航空券も用意するから関西空港まで来てくれるだけでいい。絶対に負けない方法を教えるのでみんなで儲けよう」というような内容が書かれていたという。そんな上手い話には疑いを持ちそうなものだが、宮田さんは疑わなかった。
「周囲の友人も韓国のカジノとかに行って儲けた話を聞いたりしていたから、そこまで不安ではなかった。もちろん友人らは自分の金で行ってるんですけど、WAは『怪しい話ではないから安心してほしい』と言うばかりで、すっかり信じてしまいました」
またWAは、メールで「日帰りで帰れるから、11日に出発して12日の深夜便では帰れる」などと言っていたそうだ。そのため宮田さんは11日と12日を有休にし、13日から仕事に出勤する予定だった。
なぜか地味な小太り男がやってきた
「11日12時に関西空港に集合だったので、九州の地元から新幹線で大阪まで行き、そこから関空まで向かいました。第1ターミナルビル2階の『すき家 関西国際空港店』で待ち合わせ場所にいたWAは女性ではなく20代後半の地味な小太りの男性でした。『あれ、女性ではないんですね』と言ったら『そうなんですよ』と言い訳もしない。しかも、行き先はそれまで韓国だと思ってたんですけど『カンボジアだ』と。その時点では僕は、プノンペンにもカジノあるからいいか、と(…続きを読む)。
