警察官に相談したのに…詐欺見抜けず130万円被害 損害賠償求めた裁判始まる 全国初か
詐欺の疑いがある電話を受けた釧路市の70代男性が、交番で相談したにもかかわらず、警察官が詐欺と見抜けず、およそ130万円をだまし取られたとして、北海道を訴えた民事裁判が釧路地裁で始まりました。
男性は2025年2月6日午後5時ごろ、「通信事業者社員を名乗る男」から「有料サイトの未納料金があり、このままでは裁判になる」などと電話があり、通話状態のまま交番に相談に行きました。
その際、交番で対応した男性警察官2人のうち、1人が電話を代わり男と会話。
男性の弁護士によりますと、会話を終えた警察官は、男性に対し「相手はちゃんとした債権者で、対応しなければ大変なことになる。きちんと対応してください」と男性が弁済すべき事案と示唆したということです。
警察官の言葉を信じた男性は、3回にわたって、合計およそ130万円を振り込みました。
2月に事件を発表した警察は、男からの説明をうけた警察官が「未払いの事実がある」と誤認し、被害者の男性に相手側と話し合うように伝えたとしたうえで、「警察官が詐欺に気づけず被害を発生させてしまい、被害に遭われた方に心よりお詫び申し上げます。職員への指導を徹底してまいります」とコメントしていました。
その後、男性は、警察官が職務上の注意を怠ったため被害に遭い、精神的苦痛を受けたなどとして、北海道に対し250万円余りの損害賠償を求めて提訴。
男性の弁護士によりますと、警察官の対応を巡る詐欺被害が訴訟に発展するのは全国で初めてということです。
釧路地裁で開かれた10月8日の第1回口頭弁論で、被告の北海道は認否や争点を保留し、11月21日の次回に持ち越しました。
北海道警察監察官室は(…続きを読む)。