「地獄へようこそ」トクリュウの手で東南アジアの詐欺拠点に400万円で売られる日本人、誘拐されたトー横キッズも

ここ数年、匿名・流動型犯罪グループの詐欺拠点は海外にシフトしている。近年はカンボジアに詐欺拠点が置かれるケースが多かったが、ここ最近、カンボジア政府による取り締まり強化により、東南アジア各国に加えて、中東やアフリカに分散傾向がみられる。
警察庁によると、「拠点の管理や日本人のかけ子等の調達に暴力団が関与している実態が認められる」という。つまり、暴力団等が、海外詐欺拠点に日本人をリクルートし、人身売買しているのである。実際、匿名性の高いアプリを利用した“裏SNSグループ”の投稿をみると、「人材買い取り案件、東南アジア(中国、マレーシア、カンボジア、ベトナム、ラオス等)」といった書き込みがみられる。
止まらない各種詐欺被害
特殊詐欺は、コロナ禍以降、認知件数、被害額ともに過去最高を記録している。令和7年の「特殊詐欺」と「投資・ロマンス詐欺」の合計被害額は約3241億円となっており、詐欺犯罪が依然として猛威を振るっていることがわかる。
我々一般人は、3000億円と言ってもピンとこない。これは、どれほどの金額なのか--たとえば、2021年9月、米決済サービス大手のPayPalが、日本で後払い決済サービスPaidyの買収を発表した。この時の買収額は、国内スタートアップのM&Aでは過去最大級となる3000億円と報じられた。
昨年1年間だけで「特殊詐欺」と「投資・ロマンス詐欺」によってこの大型買収劇を上回る資金が一般人のフトコロから騙し取られているのである。
特殊詐欺の推移
現在までの特殊詐欺犯罪の推移を概観すると以下のようになる。
【2003年頃】
日本ではオレオレ詐欺が顕在化し、のちに特殊詐欺と総称される問題の出発点となった。
2004年9月にオレオレ詐欺従事者の育成を目的としたオレオレ中野学校が摘発された。逮捕されたのは17~23歳の若者たちであり、暴走族の地元人脈で集まったといわれ、そのうち11名は少女も含む未成年であった。
【2010年代】
手口の多様化により、特殊詐欺は継続的な社会問題として定着していった。
暴力団排除条例の施行により暴力団がシノギに窮した。そのため、暴力団の特殊詐欺犯罪への参入がなされたと推測される。2010年の特殊詐欺認知件数は6888件、2011年7216件、2012年8693件となっており、以降、増加し続けている。
【2023年頃】
外務省が、海外で特殊詐欺に加担させられる事案について注意喚起を公表し、東南アジアを中心とする海外拠点型の問題が意識されるようになった。
【2024年以降】
未成年者を含む渡航者が、詐欺拠点で拘束や暴行を受けつつ関与させられる事案への警戒が強まり、特殊詐欺と人身取引的な構造の結びつきが一層注目されるようになった。
